「一体どういうことだ?」

倉馬は校舎に目をやったまま、呆然としながら言った。

「あれだけゆれたのに、何一つ変化が見られないなんて・・・・・・。それに、あの光線・・・・・・やっぱりワケありだったというわけか」

一息ついた龍矢たちは、落ち着きを取り戻すために、しばらく先ほどの集合場所で休憩をした。

 この時点でかなりの異変が起きた。まず、階段を降りようとしたら、地下にたどり着くことはおろか、1階にすらも降りることができない事態になったが、階段を登るとすんなりと最上階までたどり着けたという点。そして、先ほどの光線と地震。

 今までの出来事を倉馬はルーズリーフに書き込んだ。書き込んでいくうちに、落ち着きを取り戻したようだ。

「うーん、先に裏山を探そうか。さっきみたいにまた校舎から出れなくなるのは嫌だからな」

「まったく・・・・・・さっきのは一体何なんだ。あまりにも非現実的過ぎるよ」

龍矢は、信じられないのを無理やり自分に言い聞かせるように言った。

「さっきの光、一体どこへ向かっていたんだろ。何か跡とか残ってないかな?」

安麗は目を凝らして、校舎の周りを見回した。よく目を凝らすと、少しだがキラキラと地面が光っているのに気づいた。光っている場所は、ちょうど校舎の右側の裏山の入り口の付近だった。

「・・・・・・これでますます、なんだか裏山が怪しくなってきたなー。またさっきみたいになったらシャレにならないね」

咲良は恨めしそうに、安麗の指す光る場所を見つめながら、立ち上がり静かに言った。

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