「ふぅ・・・・・・ここまで不可解なことがおきたら、怖いものも怖くなくなっちゃうなー」

咲良がそばにあった岩にストンと腰掛けながら言った。それにつられたのか、ほかの3人も自分のそばにある岩に腰掛けた。歩いて30分は経っているだろう。足場も不安定だったので、平地を歩くよりも疲労度が大きいため、ここでまた少し、休憩することにした。

「この光の道、一体どこまで続いているんだろう?」

龍矢はそう言って、ペットボトルのふたを開け、麦茶を飲み始めた。

「飲み物持ってきて正解だったね。なんかある意味で遠足だよね」

と、安麗が苦笑した。

 皆が水分補給したり、持ち物確認したり、それぞれのことをしている間、龍矢は倉馬の書いた今までの簡単な出来事が記されているルーズリーフを手に取り、それをただぼーっと眺めていた。夜の山の中では、ただ風の音と木々が揺れる音が休むひまなく鳴っていた。さっきより少し冷たくなった風が龍矢たちをくすぐる。風にくすぐられながら目を細め、木々に邪魔をされた星空を、眺めていたのだった。

10分くらい経っただろうか、疲労も少しは回復し、また光の道をたどり始めた。

 どこまでも続きそうな、この光の道。歩いていくうちに、その光が少し暗くなったような気がする。龍矢たちはそのことに気づくと、速歩きで光の道を追った。更に奥に進むにつれ、草の丈が高くなっていく。ガサガサと音を立てながら突き進むと、そこには、なんと洞窟らしい入り口があった。光の道は入り口付近で切れている。

「裏山に洞窟?! 聞いたことないぞ?」

龍矢は懐中電灯を、暗い洞窟の入り口を照らし、警戒しながら入り口へと向かった。

「おい、大丈夫か?」

倉馬は不安そうな顔をさせてそう言うと、龍矢の後に続いた。

 洞窟の中を覗いてみると、懐中電灯の明かりを反射し、キラキラ光るものが、あちらこちらに散らばっている。光るものは大きいものもあれば、小さいものもある。その光は、青白く光っていて、冷たいイメージがある。洞窟はどこかに続いているのか、冷たい風が流れ込んできている。

10

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