「やっぱり、洞窟の中に、なにかあるんだろうな。光の道もここで途切れているし」

 龍矢は、一通り洞窟の中を見渡したあと、皆のほうに振り向いた。

「大丈夫、いざとなったら、私の弓が容赦しないから」

 安麗は、背中に背負っている弓をぎゅっとつかみながら、真剣な眼差しで言った。

「よし、じゃあ行ってみようか。私はとりあえず、一番後ろについて、背後にも気をつけるようにするよ」

 咲良も続けて、背に月の光を受けながらそう言った。

 龍矢たちは、慎重に洞窟の中に入っていった。

 中に入ると、一段と気温が低いことに気づく。相変わらず、反射するものは光り続けている。近くで光るものを見てみると、どうやらそれは、洞窟が生成した、クリスタル状の石のようだ。洞窟の天井にあるものもあれば、側面や地面に、ところどころ存在している。ぴちょーん、ぴちょーん・・・・・・。どこからか水が滴っているようだ。龍矢たちの足音とかぶって聞こえてくる。道はというと、分岐点がなく太い一本道が長く続いている。

「なんか分岐点がないと、変な感じだな。こういうのはもっと・・・・・・」

龍矢が懐中電灯を左右に動かし、遠くを見るようににらんでいる。

「確かに、そもそもここに洞窟があること自体疑わしいのにな」

倉馬は、そっと壁を触りながら言った。途端、足元から白い光らしいものがあふれ出てきた。

「きゃっ! なにこれ!」

「え? 俺のせいか??」

「ちょっ・・・・・・ 倉馬、あんた何かしたのか?」

「まて、みんなおちついて・・・・・・」

龍矢が言葉を最後まで言い切る前に、4人は白い光に包まれてしまった。

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